白い巨塔は山崎豊子原作の全5巻の長編小説で、特に傑作と名高い作品です。
その中で2003年〜2004年に全21話で放送された、主人公の財前五郎を唐沢寿明が演じたドラマを紹介させていただきます!
今回は第4話のあらすじと見どころをお伝えします。
※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。
前回のあらすじ
財前五郎(唐沢寿明)は鵜飼医学部長(伊武雅刀)に贈った油絵のプレゼント作戦がうまくいかず、みかねた舅の又一(西田敏行)は次の作戦を準備する。
鵜飼にとって面倒な恩人である、医師会長の岩田(曾我廼家文童)に財前を応援するよう協力を依頼。
東(石坂浩二)は相変わらず財前のことを疎ましく思い、里見(江口洋介)を呼び出し、財前が執刀した手術について緊急性があったか問いただす。
緊急性がなかったと判断した東は財前を呼び出し、緊急手術に関して査問教授会に出席するよう命じた。
危機迫った財前は里見を呼び出して土下座して報告書を提出しないように頼むが、里見は真実を報告すべきだと聞き入れなかった。
結局、鵜飼のはからいで査問教授会は中止となり、東は苛立ちを隠せず財前に冷たくあたる。
財前は、東が自分を見放すような事になれば「泣き寝入りをしない方策をとる」と宣戦布告、そして。。。
白い巨塔 第4話 登場人物
第4話の登場人物を紹介します
役柄 | 俳優 | 関係性 |
財前五郎 | 唐沢寿明 | 主人公・第一外科助教授 |
里見脩二 | 江口洋介 | 財前の同期・第一内科助教授 |
東貞蔵 | 石坂浩二 | 財前の恩師 |
鵜飼良一 | 伊武雅刀 | 浪速大学医学部長 |
船尾徹 | 中原丈雄 | 東都大学教授 |
財前杏子 | 若村真由美 | 財前の妻 |
財前又一 | 西田敏行 | 財前の義父・医師会副会長 |
花森ケイ子 | 黒木瞳 | 財前の愛人・ホステス |
東政子 | 高畑淳子 | 東の妻 |
東佐枝子 | 矢田亜希子 | 東の娘 |
金井達夫 | 奥田達士 | 第一外科講師 |
佃友博 | 片岡孝太郎 | 第一外科医局長 |
鵜飼典江 | 野川由美子 | 鵜飼の妻 |
里見三知代 | 水野真紀 | 里見の妻 |
林田加奈子 | 木村多江 | ユー&アイ製薬の営業 |
五十嵐修三 | 大林丈史 | 大興建設社長 |
則内喜久子 | 橘ユキコ | 医学部付属病院長の妻 |
菊川昇 | 沢村一樹 | 石川大学心臓外科医 |
白い巨塔 第4話 あらすじ
浪速大学の廊下
浪速大学の担当である製薬会社のやり手営業・林田加奈子(木村多江)は、財前(唐沢寿明)に積極的にアプローチしている。
財前:熱心だな。
林田:何でもやらせていただきます!お望みなら一晩ご一緒させていただきます。
財前:今、急ぐんだ!
財前は、東(石坂浩二)に呼ばれ、外科教授室に向かった。
林田は新抗がん剤の売り込みに必死だけど、財前はどうでもいい態度で関心なく振り切ってる
外科教授室
財前が部屋に入ると、大興建設の社長である五十嵐(大林丈史)がソファにすわっている。
自分の手術を財前に執刀してもらいたいと東に紹介を依頼したのだった。
財前は「東教授でなく、私でよろしいんでしょうか?」と確認すると、五十嵐は「天下の名医に切ってもらいたい。」と言われ、まんざらでもなかった。
東は苦々しい表情で聞いている。
東は自分を差し置いて部下の財前に手術を希望することに不愉快!でも相手は財界の大物で「特診(VIP)」扱いしないといけない。。。
医局
財前は、手術の指示を医局長の佃(片岡孝太郎)に出した後、次期教授選についての懸念を聞かされる。
佃は、東教授(石坂浩二)が東都大学の船尾教授(中原丈雄)に頻繁に連絡を取っていることを報告し、教授選の裏工作が進行中であることを示唆する。
佃は財前の手下だねー
廊下
財前は医局を離れると、林田(木村多江)と話している里見(江口洋介)にバッタリ出会う。
前回の土下座シーンが回想。。。あれから初めて会ったのね
二人の気まずさを感じた林田は「あらー!次期教授たちはケンカ中?」と茶化していると、突然その場で倒れる。
検査室
「営業に来てぶったおれるなんて最低ですよね。」と林田。
里見は林田をエコーで診察すると、胃から肝臓、肺に転移した末期のがんであることが分かった。
財前はVIP患者の五十嵐をCT検査中で、手術の第一助手を佃(片岡孝太郎)に指名し、東派の金井講師を外した。
里見は林田の治療について財前に「かなりシビアなので会って話したい」と申し出るが、「今は無理だ」と断る。
財前はVIP患者にかかりきりで、それどころじゃないというかんじ
芦屋のホール
教授婦人会「くれない会」の会長選が行われている。
浪速大学医学部長鵜飼(伊武雅刀)の妻典江(野川由美子)が、引き続き全員一致で選出された。
典江が挨拶し、補佐役の副会長を指名。
東教授の妻政子(高畑淳子)は今年度も引き続き、当然自分が選ばれると思い込んでいたが、則内教授の妻喜久子(橘ユキコ)の名が呼ばれた。
「東さんはどうぞ肩の荷を降ろしてのんびりなさってください」と典江が政子に言った。
政子は自分が外された瞬間、表情が青ざめて凍りつく!自分の夫がまもなく定年退職するから、自分の立場にも及んでいると痛感。。。
医局
財前は熱心な里見に根負けし、林田の診断について話を聞く。
財前:「胃がんの肝転移、36歳独身、僕にできることは何もないな。」
里見:「外科医なら、ほかに何かないか考えないか。」
財前:「特診(VIP)なら3日くらい考えた・・・ふりをした。ベッドの数が限られた大学病院の使命だ。」
財前は手の施しようのない患者よりも、治る可能性のある患者に手術すべきと主張!考え方の違いに行き着く二人。。。
東教授邸
家に帰った政子(高畑淳子)は、教授としての現状や今後の進退について夫の東(石坂浩二)を責め立てる。
東は勢いに弁解するように、次期教授を東都大学の船尾教授から2名推薦を受けて進めていることを伝える。
推薦候補者の履歴書を見せると政子はすかさず、「迷う必要ないでしょ!佐枝子のことを考えれば菊川さんでしょ!」
政子は佐枝子(矢田亜希子)の結婚相手として独身である菊川(沢村一樹)を押した。
別室では佐枝子がやるせない表情で、本人の気持ちも考えずに進めようとするこのやりとりを聞いていた。
政子は自身の不満もあって、超早口で夫にまくしたてる!強烈な政子のキャラクターは正直すぎてある意味おもしろい
アラジン
財前は又一に次期教授選の東の動きを懸念し相談する。
「8年間助教授として尽くしてきた結果がこれか」と又一に弱音を吐く。
又一は「金はたいがい手に入れることができる。女も的を潰すのも!」と財前とケイ子(黒木瞳)の仲も知っていると言わんばかりに笑う。
「ええ女の一人ぐらいおらんかったら、ええ医者とはいえん!」
又一は婿が浮気していることを容認してる。。。関西弁でわかっとるよーっでもかまへんかまへんの雰囲気で、西田敏行の演技がたまらん
夜の波止場
又一に勘ぐられたにもかかわらず、財前五郎は店が終わったケイ子を誘い出す。
タバコをふかしながら考え事をしている五郎。
ケイ子:「疲れているのね」
五郎:「あいつ(里見)と話したからかも」
ケイ子:「五郎ちゃんを揺さぶれるのは偉い人でもない、里見先生なのね」
五郎:「必ず手に入れて見せる(教授の立場を)!あざとさ、しぶとさ、あつかましさ、俺には腕がある!」
どんなことがあっても教授になりたい五郎の意気込みを感じる。。。
手術室
VIP患者五十嵐の手術が始まった。見学室には東(石坂浩二)と金井(奥田達士)がいる。
東は金井になぜ第一助手じゃないのか、財前のことをどう思っているのか聞き出そうとしている。
その時、手術中に大量の出血が見られ血圧低下!どうやら、助手の操作ミスで肺静脈に傷がついた様子。
「絶対に死なせない!」
慌てふためく助手たちに声をかけ、冷静さを取り戻させる財前!
なんとか窮地を乗り越えることができたとき、東は「チッ」と舌打ちした。それを聞いた金井は驚いて東を見ると、「さすが財前君だね、任せておいてよかった」と言ってその場を去った。
東の失敗すればよかったのにという、嫉妬の気持ちが現れてるね。。。
教授室
東は菊川(沢村一樹)を自宅に招くため、迎えを娘の佐枝子(矢田亜希子)に頼んだ。
菊川はその前に浪速大学病院に立ち寄りたいと希望したので、途中まで佐枝子が引率した。
病院への突然の訪問に東は驚きながら出迎え、ソファに座ったその時、誰かがノックをした。
手術終了の報告に来た財前が部屋に入ってきた。
財前と菊川が鉢合わせでピーンチ!東の気まずい表情。。。
財前:「どなたでいらっしゃいますか?」
おわりに
第4話は2003年10月30日に「フジテレビ開局45周年記念ドラマ」として放送されました。
視聴率は、関東地区(ビデオリサーチ調べ)で21.5%!
その後も低下する事なく平均視聴率23.71%をたたき出し、約半年かけて放送されました。
財前と里見の間には、患者に対するアプローチの違いが浮き彫りになります。
財前は患者の治療に対して非常に冷徹で、里見はより人間的です。
この対立は、今後の物語の中で重要なテーマになっていきます。
教授選に向けて東と財前の裏工作のやりとりにドロドロさを感じますね。
第5話が待ちきれない〜!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
第5話もお楽しみに!